アンナ(右)、ヒュー(左)と子供たち
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トスカーナ州マレンマ地方、グロッセート県に2004年に設立されたワイナリー。家族5人で経営している小さなワイナリーです。マレンマ国立自然公園の海岸から8キロほど、25ヘクタールの敷地内にブドウを植えています。海抜90mで、南向きと南西向き、10ヘクタールほどの丘陵を選んでいるので、非常に通気性に富んだ地中海性気候からのミクロクリマと、鉱物が豊富で水はけの良い砂岩土の栽培条件の双方から見事に恩恵を受けています。
醸造のスペシャリストとのコラボレーションで4種のワインを生産
畑の様子
サンジョヴェーゼ種の栽培および醸造のスペシャリストとして名高い、マウリツィオ・カステッリ氏と親しい間柄で、彼の惜しみない協力により、近代的な過度の醸造技術を排除し、そのうえ国際品種を混醸せずに、土着品種本来の繊細さと土地の個性を最大限に表現した、コストパフォーマンスの高いワインを4種類のみリリースしています。
一見ラベルの牡牛の絵とVal di Toro(牡牛の渓谷)という名前からして、スペイン産のワインか?と思ってしまいそうですが、飲んでみるとれっきとしたトスカーナのワインであり、素朴で親しみやすいワインを生産したいという彼らの主張が読み取れます。
個性あるワインに由来するワインの名前
フラッグシップワイン
“ヴァル・ディ・トーロ”
Auramaris(アウラマリス=海のそよ風)
ヴェルメンティーノ種85%にグレケット種15%の白ワインで、まるでマレンマの地中海のミネラルが溶け込んだかのような、ほんのりとした海塩に、グリーンハーブやオリーブオイルを思わせる清涼な飲み口から名づけられました。
Alfa Tauri(アルファ・タウリ=英名ブルズ・アイ)
サンジョヴェーゼ種100%のロゼで、冬の夜空にオレンジがかった赤みを帯びて光り輝く牡牛の目のように美しい色調と、イチゴやパパイヤにマンゴーといったトロピカルなブーケをまとったムーディなワインです。これにちなんで、ラベルのマレンマ牛の目がオレンジ色に光っています。アルファ・タウリはおうし座の恒星アルデバランのこと。この星がヨーロッパでは富と幸福の前兆となる幸運の星とされていることから名づけられました。
Reviresto(レヴィレスコ=枯木栄を発すの意味)
サンジョヴェーゼ種100%で、朽ちた切り株から再び目を出す若芽のごとく、みずみずしさがみなぎるブドウの生命力をそのまま瓶に詰めたような爽快な飲み口から名づけられました。
Val di Toro(ヴァル・ディ・トーロ=牡牛の渓谷)
名のごとく、このワイナリーのフラッグシップワインで、サンジョヴェーゼ種70%とモンテプルチャーノ種30%。この丘陵地が30年ほど前まではマレンマ牛(現在はキアーナ牛より希少だそう!)を放牧していたことから名づけられました。シンプルながら奥行きの深さを感じるこのワインを一言で例えるなら、マカロニ・ウエスタン!郷土料理であるビステッカ(ステーキ)のような上質な赤身肉の塊を豪快に武者振りつきながらぜひ試していただきたいワインです。